これから旬を迎える野菜のひとつに「ししとう」があります。
「ししとう」というと唐辛子の一種で辛いイメージがありますが
「ししとう」は実際のところ辛味はそれほど感じません。
それどころか栄養豊富な野菜として注目されています。
「ししとう」にはどんな効能があるのでしょう。
ししとうの栄養と効能は?

「ししとう」は健康促進や美容効果が期待できる食材です。
「ししとう」に含まれている栄養素は主に次のものがあります。
ししとうに含まれている栄養素【カプサイシン】
冒頭で「ししとう」はそれ程辛くない(たまに辛いものもあります)と述べましたが
唐辛子の一種なので「カプサイシン」という栄養素を含んでいます。
「カプサイシン」は辛味をもたらす主成分ですが次のような効用があります。
体内のエネルギーを消費させたり、アドレナリンの促進や発汗作用があります。
従ってダイエット効果も期待できます。
「ししとう」を食べて、適度な有酸素運動をすれば一層の効果があるでしょうね。
ししとうに含まれている栄養素【βカロチン(ビタミンA)】
「ししとう」にはβカロチンが含まれています。
βカロチンというと人参が有名ですが、「ししとう」にもあるんですね。
βカロチンは体の中でビタミンAに変化して様々な効用を生んでくれます。
抗酸化作用や老化防止、さらには美肌効果や免疫力の向上があります。
まだ研究途中ですがたばこを吸わない人にとっては、がん抑制効果があるとされています。
今後大いに期待できるのではないでしょうか。
ししとうに含まれている栄養素【ビタミンB6】
体に不可欠な栄養素で水溶性のビタミンです。
腸内細菌によって体内でも生成されますが、薬の服用などで生成量が低下します。
従って、食材からの摂取が求められます。
エネルギーの生成、筋肉・血液の生成やたんぱく質を分解して吸収する働きがあります。
ししとうに含まれている栄養素【ビタミンK】
ビタミンKも含んでいます。
ビタミンKは脂に溶けるビタミンで血液や骨にはなくてはならない成分です。
血液を凝固させる働きや骨の形成促進、動脈の石灰化予防に効果があります。
ビタミンKは骨を強化することから骨粗しょう症の治療薬にも使われています。
ししとうに含まれている栄養素【ビタミンC】
ビタミンCというと柑橘類によく含まれているのは知られていますが、「ししとう」にもたくさん含まれています。
水溶性のビタミンで美容を気にされる方にはお薦めの食物です。
コラーゲンの生成、メラニン色素の分解や免疫力の強化、疲労回復さらにはストレス解消、動脈硬化の予防などに効果があります。
また、これからの時期、夏バテ防止にも効き目がありますよ。
ビタミンCは過剰摂取による害がありませんので、摂り過ぎの心配はありません。
ししとうに含まれている栄養素【カリウム】
カリウムは近年その効用が解明されてきて注目される栄養素となってきています。
体内の余分な塩分・水分を排出する働きがあります。
正常な細胞の維持、脳卒中の予防や骨密度の強化、生活習慣病の予防に効果があります。
3度の食事をきちんと摂っていれば不足することはありませんが、食生活の乱れている方や野菜不足の方など生活習慣病に陥りやすい方には必要な栄養素と言えます
このように「ししとう」には多種多様な効用があります。。
貴重な食材と言えますね。
ししとうが妊婦にお薦めの理由は?

「ししとう」は妊娠されている方にお薦めの食材と言われています。
妊娠中は胎児に栄養分が供給され、お母さんは栄養が不足がちになります。
特に不足しがちなのが鉄分です。
鉄分が不足すると貧血症に陥ります。、
「ししとう」には「モリブデン」という栄養素が多く含まれています。
この「モリブデン」はミネラルの一種で、体内で鉄分が不足して起こる鉄分欠乏貧血を防ぐ働きがあるのです。
妊娠中の鉄分不足にはレバーやほうれん草と共に食すれば効果倍増でしょう。
またビタミンCにも鉄分の吸収を促す作用があります。
さらにいいことには前述のビタミンB6には月経前症候群の改善やつわりの改善にも効果があるのです。
妊娠中に辛い食材を食べても辛み成分(カプサイシン等)は胎盤で止められるので胎児への影響はありません。
従って「ししとう」は妊婦の方の強い味方という訳です。
ししとうの美味しい食べ方とレシピは?

これだけ効能のある「ししとう」です。
召し上がり方も工夫次第で栄養を落とさずに召し上がることができます。
コチジャンや味噌などを付けて生で食することもできます。
生で食べると熱に弱いビタミンCでもしっかり摂取できます。
注意したいのはまれに辛い「ししとう」もあることです。
口の中がパニックになりますので慎重に選びましょう。
新鮮な「ししとう」は緑が濃く鮮やかで、きめが細かくツヤがありいい香りがします。
辛いものは光沢がなく、皺が少なく縮んでいます。
最近は出荷時に分別できるので辛いものは外して出荷されるので、めったに辛いものに当たることはないと思われます。
それでは美味しい「ししとう」の簡単にできる料理をご紹介します。
おつまみにもなるあっさりした味で「ししとう」のおいしさが引き立ちます。
「ししとう」のおかか和え
レシピ 2人前
ししとう 12本
かつお節 4g
塩 小さじ1杯 .
醤油 小さじ1杯
作り方
1.「ししとう」のへたを取り、塩を加えた熱湯に入れ約1分(沸騰寸前)茹でます。
2.ザルにあけ、水気を取ります。
3.熱いうちにボールに移し、かつお節、醤油を加えよくまぜます。
4.器に盛り付けます。
「ししとう」は油で炒めることによってβカロチンの吸収率が高まります。
従って炒めて使うケースが多くなります。
豚肉と「ししとう」の甘辛炒め
レシピ 4人前
豚ロース(薄切り) 200g 調味料
片栗粉 小さじ2杯 酒 25ml
ししとう 80g 砂糖 6g
ごま油 適量 醤油 18g
エリンギ(薄切り) 70g コチジャン 18g
ニンニク(すりおろし)2g
全量をよく混ぜます。
作り方
1.豚肉に片栗粉をまぶしておきます。
2.「ししとう」のヘタを取り、縦に3か所ほど切り込みを入れます。(火の通りをよくする
ため)
3.フライパンにゴマ油をしき、、中火で熱し豚肉が両面に焼き色が付くまで焼き、一旦器に
移します。
4.フライパンに「ししとう」エリンギを入れ、よく炒めます。
5.豚肉、調味料を加え強火で炒めます。
6.全体に火がいきわたったら、火を止め器に盛り付けます。
葉ネギなどを散らせば色合いもよく、食欲をそそります。
まとめ
「ししとう」についてご紹介してまいりました。
「ししとう」は鮮やかな緑色で食卓に彩りを添えてくれます。
さらに健康効果や美肌効果が期待できる栄養価の高い食材です。
特に妊娠されている方にはお薦めです。
旬を迎えるこれからの季節に、健康維持のため「ししとう」は欠かせませんね。